介護が日常になる時代

介護空間を 「癒しのあかり」でコーディネート


 医療技術の発展は、病気が発症しても多くの命を救えるようになりました。しかし、障害が残りそれと向き合いながら介護生活しているご家族は増えています。
 また、急速に進む高齢化も社会問題として大きく取り上げられています。今や「介護」は私たちの日常です。しかし、その「介護」の現場は、当然のごとくビジネス化され、経済性や効率が求められています。
 それ自体否定はしませんが、今は「介護する側」の視点が強調されすぎていないでしょうか。介護従事者の人手不足や労働環境は確かに深刻な問題です。でも、これからは「介護される側」の視点・・つまり、医療や福祉の世界でも言われている「人生の質=QOL」をどうするか、これもこれからの大きな課題になってくると思います。
 
 私たちは、長年「心癒すあかり〜ライトテラピー」をテーマに「手作り照明教室」を開催してきました。そして仲間たちと手作りのあかりを医療や介護の現場で生かそうと、病院などにあかりを寄贈する「あかりバンク」という活動を続けてきました。
 そこで見えてきたのは、夜になると淋しく不安になるような医療や介護の空間でした。2012年にできた「こどもホスピス(淀川キリスト教病院)」に、私たちは100点以上のあかりを寄贈しましたが、おそらく世界でも初めての「あかりによる癒し」が実現した病院の誕生だと思います。  以後、国立千葉東病院での「病院de あかり展」の開催などの実績を重ねてきましたが、私たちは今、そのノウハウをもとに、これからの介護空間における「あかりのコーディネートシステム」の構築に取り組もうとしています。
 

 例えば、介護される人の趣味がジャズを聴くことだったとしましょう。その空間がLEDの煌々と明るい空間だったらどうでしょう。逆に、電気が消えて豆球だけだったらどうでしょう。ちょっと雰囲気出ませんね。でもあかりを少し工夫すれば、ジャズを聴くのに心地よい空間は簡単に作れます。
 
 私は長年、照明の世界に携わってきましたが、「照明は心理学」というのが持論です。光は心と深い関わりがあるのです。しかし、光は空気や水と同じで普段意識することが少ないということもあり、その重要性について知る人は少数です。
 私たちが作っているあかりについても、その造形的な面白さに目がいくようですが、実はそこから発せられる光にとても意味があるのです。私たちのあかりには、心を癒す効果だけでなく、睡眠導入効果やコミュニケーションが円滑になるといった良い点がたくさんあります。
 

 
 

 インテリアデザイナーやコーディネーターの皆さん。もし、興味があれば私たちと一緒にこれからの介護空間を考えてみませんか。お洒落な空間をデザインすることと、このような社会的課題を解決することは両極ではありません。介護空間こそお洒落で楽しい空間になるべきです。
 
 
照明塾塾長 橋田裕司

 

 

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